Brand New Saturday 2021.7.17

*放送後記*

今日は2か所から中継をお届けしました!

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★レルヒ記念公園★

ニセコから5号線を通って倶知安の街なかに向かう際、

尻別川を越えてすぐのところにある公園です。

ちょうど、トリフィートホテルやローソンの向かい側です。

車で走っていると一瞬で通り過ぎてしまいますが、

意外に広く、羊蹄山が望めるほか、噴水広場があったり

藤棚、花壇や水飲み場、遊具もある

公園らしい公園なんです。

大型車も停められる駐車場には公衆トイレや

自動販売機があり、長距離ドライバーの方が

休憩されている姿をよく見かけます。

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そんな公園の真ん中には、ひとつ立派な銅像が。

公園の名前にもなっている、レルヒ中佐の像です。

本名は、「テオドール・エードラー・フォン・レルヒ」。

レルヒ中佐は、オーストリア=ハンガリー帝国の軍人として働くうち、

スキーに興味を持ち、アルペンスキーの創始者である

マティアス・ツダルスキーに師事します。

当時、国内で山岳部隊の雪崩事故が起きたこともあり、

レルヒ中佐は軍隊にもスキーが必要だと働きかけました。

その甲斐あって軍隊に正式にスキーが導入されてからは、

講習会の講師としてスキーを教えていました。

日露戦争が終わったのち、レルヒ中佐は日本陸軍の研究のため

日本にやってきて、新潟県の師団に配属されました。

日本陸軍は八甲田山で遭難事故を起こしたばかりだったため、

レルヒ中佐のスキーの技術に注目。

レルヒ中佐はそれに応え、兵営の庭で

日本の軍人やその夫人たちにスキーを教えました。

これが日本にスキーが広まる第一歩です。

つまり、レルヒ中佐は日本で最初に

本格的なスキー指導を行った人なんです。

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レルヒ中佐は倶知安町にも来ています。

旭川第7師団にスキーを教えるために北海道に上陸し、

北海道でのスキー訓練の総仕上げとして

羊蹄山での滑走を行いました。

雨で1日延期にはなったものの、

羊蹄山にのぼり、スキーで滑って降りたという記録が残されています。

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今日のニセコエリアは、全国、全世界から

スキーヤーが集まる場所です。

でも、もしも日本にこれだけスキーというスポーツが

広まっていなければ、たとえ質の良い雪が降ったとしても、

スキーヤーが集まることもなければ、

スキー場すらなかったかもしれません。

そう考えたらレルヒ中佐像、

車で素通りするわけにいかないのではないでしょうか。

レルヒ中佐がいなければ、ニセコはこんなに

注目される場所になっていなかったかもしれないんです。

「レルヒ記念公園」、公園ですので

いつでもだれでも気軽に立ち寄ることができます。

お買い物ついででも、ぜひ一度

足を運んで見ては?

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★第2有島ダチョウ牧場★

ニセコ町豊里地区にある、

ダチョウと肉牛を飼育している牧場です。

ダチョウは夏の間は常に放牧されていて、

誰でも写真を撮ったり、餌をあげたりすることができます。

体が大きく、黒っぽく、くちばしが赤いのが雄。

全体的に茶色っぽいのが雌です。

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第2有島ダチョウ牧場では、ちょうどいま、

卵のふ化の時期を迎えています。

ダチョウの放牧地から少し離れた倉庫の中に、

卵をふ化させる設備があります。

ダチョウの卵は、直径10~15㎝くらいの大きな卵です。

産み落とされた卵は、ふ卵器に入れられ、

黄身が偏らないよう、少しずつ角度を変えながら温められます。

ふ卵器の中は、36.5度ほど。

卵の状態はひとつひとつ、毎日細かに記録されます。

ふ化の時期が近づくと、こまめに表面にライトを近づけ、

内側の膜が破られていないかを確認するそうです。

内側の膜が破れてきたのを確認したら、

ヒナをふ化させるお部屋へ移動。

こちらのお部屋も、だいたい人間の体温と

同じくらいの温度に保たれています。

その場所でヒナはゆっくりと、

内側から殻を割って出てきます。

殻を割る頃になると、ヒナは肺呼吸に切り替わるので、

内側からかたい殻を破るのは、

とっても大変なことなのだそうです。

やすみやすみ、長い時間をかけて誕生します。

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私は普段、卵って食べ物として見ているので

なんとなく「物」って気がしていました。

でも、今回卵が大事に温められて、

卵の状態が変化している様子を見せてもらい、

卵も「生きもの」なんだと感じました。

普段何気なく食べている卵ですが、

ひとつの命をいただいているんだということを実感しました。

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第2有島ダチョウ牧場では、こうして卵のふ化からと殺まで

一貫して行っています。

修学旅行生などが訪れることも多く、

私のように、命をいただくことについて考え、

学ぶことができる場となっています。

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卵のうちから愛情をこめて、大切に育てられたダチョウは

とても人懐っこく、優しい目をしています。

ぜひそんなダチョウに会いに、第2有島ダチョウ牧場に

足を運んで見てはいかがでしょうか?

ダチョウの卵を使ったお菓子などが楽しめるカフェもありますよ♪